西市町(読み)にしいちまち

日本歴史地名大系 「西市町」の解説

西市町
にしいちまち

[現在地名]豊田町大字西市

木屋こや川の西、豊田平野の西北方に位置する。北は普済寺ふさいじ(現山田川)を境に殿敷とのしき長正寺町ちようしようじまちに接し、西から南は矢田やた村に取り囲まれる。正保四年(一六四七)の当町の紅粉屋家文書に「豊田郡の内西市酒場」とみえる。長府藩領で豊浦郡豊田筋に属す。

慶長五年(一六〇〇)、同一五年、寛永三年(一六二六)などの検地帳では、いずれものちの殿敷村矢田村・西市町などを含んだ地域一帯を「本郷」として高付している。慶長一五年の検地帳では、その中に市屋敷四六を記すが、これはのちの東市・西市・今市などをも含んだものである。

矢田村の南、木屋川を隔てたなか村に西市が始まったのは永享年間(一四二九―四一)頃と推定される。「地下上申」には「西市と申ハ往古中村ニ市有之、(中略)其後当村(矢田村)之内ヘ引ケ西市と申候(中略)殿敷之内ニ東市有之たるゆへ西市と申候」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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