西本願寺北山別院(読み)にしほんがんじきたやまべついん

日本歴史地名大系 「西本願寺北山別院」の解説

西本願寺北山別院
にしほんがんじきたやまべついん

詩仙しせん堂の南、京都市左京区一乗寺薬師堂いちじようじやくしどう町にある。聖水山と号し、浄土真宗本願寺派の京都四ヵ別院の一。寺伝によれば、もと近江比叡山三千坊の一で養源ようげん庵と称したといい、親鸞青蓮しようれん院で得度の後、ここで一ヵ年余にわたり修学し比叡山に登ったといわれるところから御里ごり坊とも称されたという。

「養源庵庵記」「北山御坊」(ともに西本願寺蔵)によれば、初め天台宗に属したが、のち京都南禅寺末、浄土宗西山派十念じゆうねん(現京都市上京区)末へと改宗した。寛文一〇年(一六七〇)南禅寺と十念寺の間での所属をめぐる争論で、寺地は闕所地として町奉行に召上げられ、廃庵となった。延宝五年(一六七七)正覚寺門徒の一乗寺村藪里やぶさとの庄屋半兵衛が、真宗寺院として再興のため寺地拝領を願い、翌六年に成功し、養源寺と改称され再興。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android