得度(読み)とくど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

得度
とくど

剃髪出家すること。度はサンスクリット語の pāramitā (波羅蜜) の訳で,本来は悟りの世界に渡ることを意味した。中国,日本では得度して僧となるには官許を必要とし,勝手に得度したものを自度,私度といった。江戸時代以後,得度は諸宗の権限にまかされた。 (→度牒 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

とく‐ど【得度】

[名](スル)《「度」は、梵pāramitā(波羅蜜(はらみつ)と音写)の訳》
生死の苦海を渡って涅槃(ねはん)の彼岸に至ること。
出家して僧や尼になること。「幼くして得度する」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

得度【とくど】

度は波羅蜜(はらみつ)の漢訳語で,得度とは元来,涅槃(ねはん)の彼岸に渡ることを意味した。転じて出家して僧尼となること。中国・日本では得度には官許を必要とし,勝手に得度した僧を自度僧私度僧などと呼んだ。江戸時代以後,得度は各宗の権限と監督にゆだねられた。
→関連項目田中智学

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

とくど【得度】

得度とは救う,度を渡る,すなわち迷いの世界から悟りの彼岸に渡る意味と,悟りを得るといった意味のほかに,在俗者が仏門に入ることを意味する。今日では僧となること,出家する意味に用いられる場合が多い。得度者は略して度者(どしや),度人ともいわれ,官許によるものと,ひそかに出家する私度僧に分けられる。官許の得度には,官大寺などに年間数人ずつ得度させる年分度者(ねんぶんどしや)の制度のほかに,天変地異や天皇貴族の病気全快や追善のために臨時に数人,あるいは多数の男女を得度させる場合があった。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

とくど【得度】

( 名 ) スル
〘仏〙
悟って、彼岸へ渡ること。
仏門に入り僧になること。出家すること。律令制においては得度者は官許により、度縁を発行して課役を免除した。これに対し、無断で僧形になることを私度・自度という。 「 -して世俗を離れる」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

得度
とくど

迷いの世界を超えて悟りの世界に渡りうること。度とは、サンスクリット語のターラヤティtrayatiの訳語で、渡ることである。なお、これより転じて、在家者が剃髪(ていはつ)し、出家して僧となることをいう。『四分律(しぶんりつ)』巻32によれば、インドでは、父母の許しがあれば出家できたが、12歳未満者は得度できない。得度のとき受ける戒律は、五戒(不殺生(ふせっしょう)、不偸盗(ふちゅうとう)、不邪婬(ふじゃいん)、不妄語(ふもうご)、不飲酒(ふおんしゅ))を保つことで、20歳になると、比丘(びく)は二五〇戒、比丘尼は三四八戒を保つ具足戒(ぐそくかい)を受けた。中国では、得度しただけの者は沙弥(しゃみ)といい、具足戒を受けて僧となった者とは区別された。日本では、得度しただけで僧といわれるが、また上座(じょうざ)ともいわれる。律令(りつりょう)制では、得度して僧尼になるには官許を必要とし、かってに得度したものを自度、私度と称した。[川口高風]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

とく‐ど【得度】

〘名〙 仏語。
① (「度」は波羅蜜のこと) 生死苦海を渡って涅槃の彼岸に達すること。→到彼岸
※南天竺波羅門僧正碑并序‐神護景雲四年(770)四月二一日「経云、応以波羅門身得度者、即現婆羅門身、而為説法是也」 〔白居易‐唐撫州景雲寺故律六徳上宏和尚石塔碑銘〕
剃髪して出家具戒すること。僧侶になること。古くは僧・尼となることを国家から許可されることによって出家となった。天平六年(七三四)には、師について浄行三年の後に法華経・最勝王経の暗誦に通じる者を許可したが、延暦一七年(七九八)になって、経論の大義十条を試みて、五条以上に通じる者を許した。得度した者には政府から証書を与えた。これを告牒・度縁・度牒・公験といい、課役を免除された。
※続日本紀‐養老元年(717)五月丙辰「土百姓、浮浪四方、規避課、遂仕王臣、或望資人、或求得度

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の得度の言及

【僧】より

…【高崎 直道】
[中国]
 もともと4人以上の出家者の集団を指したが,中国では1人でも僧といい,また仏教徒の総称としても用いられる。厳密には,得度した者が僧,具足戒を受けた者は大僧,出家して得度にいたらぬ有髪の修行者は童行,行者といった。僧は別に比丘,桑門,沙門,和尚,道人などさまざまによばれる。…

【度牒】より

…出家得度の証として政府が交付する証明書。度縁ともいう。…

※「得度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

未必の故意

犯罪事実の発生を積極的には意図しないが、自分の行為からそのような事実が発生するかもしれないと思いながら、あえて実行する場合の心理状態。→故意[補説]作品名別項。→未必の故意...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

得度の関連情報