西海郷(読み)にしのうみごう

日本歴史地名大系 「西海郷」の解説

西海郷
にしのうみごう

小立常在こだちじようざい寺所蔵「教機時国教法流布五段鈔」巻末の福徳二年(延徳三年、一四九一)年紀をもつ覚書に「西海」とみえる(河口湖町の→川口村。「勝山記」の明応七年(一四九八)条によると、八月二八日激しい風雨のため当地のほか長浜ながはまなどで「壁」に押されて圧死した人が大半を超えたという。天文九年(一五四〇)七月一〇日、西之海のうち古関ふるせき(現上九一色村)の役所の関銭が免除されている(命禄元年七月一〇日「武田信虎印判状」西湖区有文書)。この権利を得たのは西之海衆であったと思われ、天文二二年五月晦日、本栖もとす(現上九一色村)の番および材木等の奉行を勤めている小林九郎左衛門尉や渡辺左近丞ら八名の西之海衆に対し、富士山の往復を安堵し諸役は一〇年来のとおりとしている(「武田晴信印判状」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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