日本歴史地名大系 「西門院」の解説 西門院さいもんいん 和歌山県:伊都郡高野町高野山小田原谷西門院[現在地名]高野町高野山小田原(おだわら)谷の東部南側に位置する別格本山で、西方は往生院(おうじよういん)谷の持明(じみよう)院。本尊阿弥陀如来。現在は北面するが、文化一〇年(一八一三)の高野山細見絵図では、現敷地の北部分に成慶(せいけい)院・円光(えんこう)院・最乗(さいじよう)院・仁王(におう)院・威乗(いじよう)院などが描かれ、当院の門は湯屋(ゆや)谷に開く。永久年間(一一一三―一八)山城醍醐寺理性(りしよう)院二世の宝心が隠遁したと伝えるが、「続風土記」は開基不詳とする。中興は永厳。行人方上通の一院であった。当初釈迦(しやか)院と号したが、寛喜年中(一二二九―三二)後堀河天皇の中宮藻壁門院(西中御門院)の崇信を受けて堂舎を再営、西門院と改号したという。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報