見たようだ(読み)ミタヨウダ

デジタル大辞泉 「見たようだ」の意味・読み・例文・類語

みた◦ようだ〔みたヤウだ〕【見たようだ】

[連語]《動詞「みる」の連用形+完了の助動詞「た」+比況の助動詞「ようだ」》
似たものとしてたとえる意を表す。
「縛られては居ないが同心を―◦ような者が付て脇屋廊下を通って行った」〈福沢福翁自伝
「売薬屋の銅人形―◦やうに看板にされたばかりも」〈滑・浮世風呂・三〉
例として示す意を表す。
「君―◦ように叡山へ登るのに、若狭迄突き貫ける男は」〈漱石虞美人草
[補説]近世後期から明治期にかけては「…を見たようだ」の形で用いられたが、のちに「を」を伴わず、直接体言に付くようになった。この語が転じて「みたいだ」となる。→見るようだ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「見たようだ」の意味・読み・例文・類語

みた‐・ようだ‥ヤウだ【見ようだ】

  1. 〘 連語 〙 ( 動詞「みる(見)」に完了の助動詞「た」を添えた「見た」に比況の助動詞「ようだ」の付いたもの )
  2. 似たものになぞらえる意を表わす。…みたいだ。
    1. [初出の実例]「色町を見たやうにおもはれてしほらしければ」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)五)
  3. 例として示す意を表わす。
    1. [初出の実例]「しかし私見たやうな物覚の悪い男でも」(出典:爺(1903)〈島崎藤村〉)

見たようだの補助注記

江戸語では、「…を見たようだ」の形で用いられたが、のちに「を」を伴わずに体言に直接つづけても用いるようになったり、さらに、助動詞「みたいだ」に変化したりした。

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