規範的理論(読み)きはんてきりろん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「規範的理論」の意味・わかりやすい解説

規範的理論
きはんてきりろん

C.モンテスキューや J.-J.ルソーなどの政治理論は「あるべき政治」の姿を描こうとしているので,一般に「規範的理論」と呼ばれている。これに対し自然科学や心理学社会工学行動科学成果を摂取する法則定立的な理論が「経験的理論」と呼ばれている。しかし,人間の政治行動には,生物学的,心理学的に観察される法則的行為を含むとともに,規範的行為も含まれている。政治現象におけるこの二元性が政治学における二元論成立を不可避としている。したがって実在価値,存在と当為とをいかに統一していくかは依然として重要な課題であるといわねばならない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android