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社会工学 しゃかいこうがく social engineering

翻訳|social engineering

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

社会工学
しゃかいこうがく
social engineering

工業科学と社会科学の接点を研究する学問。社会の形態,動向をシステム工学的なアプローチでとらえようとするもの。社会を行動する個人の集合体とみて,集合体の動きを統一的に解釈することによって社会の各種の問題の要因や要因間の関係を定量的に取扱う。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉の解説

しゃかい‐こうがく〔シヤクワイ‐〕【社会工学】

社会科学の知識を総合して、工学的手法によって社会問題の解決方法を開発しようとする学問。

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監修:松村明
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世界大百科事典 第2版の解説

しゃかいこうがく【社会工学 social engineering】

社会問題の解決や社会システムの制御を,工学的問題解決と同型的な方法論を用いて行おうとする立場をいう。この手法は,経済成長計画や金融財政政策見られるように,すでに第2次大戦以前に各国に見いだすことができる。すなわち,自然科学の法則的知識を,社会科学の理論的予知に応用して,社会組織の改造や改善の諸計画を立てるという手法である。社会工学が急速に進展した背景には,コンピューターの発達がある。狭義の社会工学は大規模な工学的システムの設計のために開発され,大きな有効性を発揮してきたシステム工学の手法とそれに隣接する社会システム分析の手法を利用し,まず社会システムを,相互連関する一群の変数としてモデル化する。

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大辞林 第三版の解説

しゃかいこうがく【社会工学】

社会問題の解決や社会システムの制御を工学的方法を用いて行おうとする学問。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

社会工学
しゃかいこうがく
social engineering

社会現象を社会システムとしてとらえ、システム工学(システム・エンジニアリング)やシステム分析の手法を用いることによって体系的に制御し、社会問題の解決方法を探る学問。システム工学と社会科学とが結合した新しい学際的領域である。日本では東京工業大学や筑波(つくば)大学にこの社会工学の専門的な研究組織がつくられている。[本間康平]

発展の背景

社会工学の急速な発展を促した背景として、コンピュータリゼーションに象徴されるような脱工業化社会への移行という現代社会の動態がある。そのような流れのなかで、システム工学は、既存のテクノロジーのシステム化を推し進めて研究開発型の体制をつくりあげるとともに、テクノロジー・システムにおける社会的要素ないし人間的要素の重要性が再認識され、これらの要素をシステムのなかに取り込むための方策を求めて社会科学への接近が図られた。これに対して社会科学の研究領域では、イデオロギーから解放された科学として確立し、システム科学や情報科学から理論や発想法を取り入れて社会制度や人間の行動の推移を予測し、現代社会の当面する諸問題を解決するための有効な社会計画をたてなければならないという事態を迎えたため、システム工学へ接近していった。このような両者の事情が社会工学を生み出した。そのため、社会工学は、伝統的な学問体系と異なり、問題解決型の横割りのプロジェクト志向が強い。[本間康平]

成果

社会工学の成果の一つに社会指標の導入がある。社会指標とは、望ましい社会状態を実現し、人間的な欲求の充足を図るための指標であり、社会の一定の側面について、その状態の認識、その将来の予測、その状態の評価、それに基づく制御という四つの機能をもつ。社会指標は、経済指標としての国民所得の限界を補うものとして登場した。国民所得の統計によれば、経済的な裕福度が上昇しているにもかかわらず、社会問題はいっそう深刻になっているという現象がみられ、それを測定するために社会指標が求められた。その場合、経済的なものと区別された社会的なものには、所得として貨幣量に還元して測定することが可能であるが不適当なものと、貨幣量に還元して測定すること自体が不適切なものとが含まれる。この社会的なものに含まれる諸事象のなかで、数量的表現を与えることができ、量と質との両方の面で代表的な少数のものが選択されて社会指標を構成している。[本間康平]

課題

社会工学で取り上げる社会システムは、システムを構成している諸変数が一方向的な因果関係でとらえることのできない相互依存関係にある、という特色をもっている。そのため、社会工学は、それぞれの変数がさまざまな方向性をもち、変数相互の間の誘引・反発も多種多様であるという状況のもとで、制御することのできる変数をどのようにして決めればよいのか、どこまで制御することができるのか、さらに、制御すること自体がよいのか悪いのか、といった点への配慮がつねに課題として残されている。[本間康平]
『K・R・ポパー著、久野収・市井三郎訳『歴史主義の貧困』(1961・中央公論社) ▽林雄二郎著『社会工学 システムとしてみる社会』(1971・筑摩書房) ▽R・A・バウア編著、小松崎清介訳『社会指標』(1976・産業能率大学出版部) ▽W・バックレイ著、新睦人・中野秀一郎訳『一般社会システム論』(1980・誠信書房)』

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世界大百科事典内の社会工学の言及

【パウンド】より

…ハーバード大学に学び,弁護士実務に従事しつつネブラスカ,シカゴ大学等で教鞭をとり,1910年よりハーバード大学教授。法を目的のための手段とする視点から,法学はたんに条文や判例の研究だけでなく,社会に存在するさまざまな利益を認識し,それを一定の基準に基づいて取捨する社会工学social engineeringであるべきだとし,社会学的法学sociological jurisprudenceを提唱した。また,ヨーロッパの法学や法史についての該博な知識をもとに,法史を動態期と静態期の交替としてとらえる法史観を提唱,19世紀の静態期を経て,20世紀は法の動態期であるとした。…

【機能主義】より

…この問題をさらに厳密に考えぬき質量,力,エネルギー,原子,時間,空間といった近代科学の基本概念を,実体的なものの表現としてではなく,現象相互の関係やその変化を法則的に表現しようとする関数概念と解すべきだと説くカッシーラーの主張(《実体概念と関数概念》1910)なども,〈機能(関数)主義〉とよばれてよい。 一方,個別科学の領域で機能主義的と見られるのは,心理学においてはW.ジェームズの流れをくむデューイやJ.R.エンジェルらの機能心理学,それを継承するJ.B.ワトソン,G.H.ミードらの行動主義心理学,民族学や人類学の領域ではデュルケームの影響下に立つB.K.マリノフスキー,ラドクリフ・ブラウンらの機能学派,経済学におけるベブレンの制度学派,法学ではR.パウンドの社会工学,G.D.H.コールらギルド社会主義者の機能的国家論などである。しかし,この場合も,たとえば心理学における機能主義が,意識をその内容にではなく作用に即して考察し,その生物学的意味を解明しようとするものであり,C.ダーウィンやH.スペンサーの進化論の強い影響下に発想されたものであるのに対して,人類学におけるそれは,むしろ歴史主義や進化主義への批判から出発し,社会や文化を孤立した要素の複合体と見る従来の考え方に反対して,現存の制度や慣習の機能を全体としての文化や社会との関連のうちで解明しようとするものである。…

【パウンド】より

…ハーバード大学に学び,弁護士実務に従事しつつネブラスカ,シカゴ大学等で教鞭をとり,1910年よりハーバード大学教授。法を目的のための手段とする視点から,法学はたんに条文や判例の研究だけでなく,社会に存在するさまざまな利益を認識し,それを一定の基準に基づいて取捨する社会工学social engineeringであるべきだとし,社会学的法学sociological jurisprudenceを提唱した。また,ヨーロッパの法学や法史についての該博な知識をもとに,法史を動態期と静態期の交替としてとらえる法史観を提唱,19世紀の静態期を経て,20世紀は法の動態期であるとした。…

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