日本大百科全書(ニッポニカ) 「親子時計」の意味・わかりやすい解説
親子時計
おやこどけい
一定の時間間隔で信号を発する装置をもつ親時計と、その信号によって遠隔操作される子時計の組合せをいう。交通機関、学校、ホテル、そのほか正確な時間を必要とする研究所などで用いられ、子時計は規模によって数個から数百個に達する。精度の高い親時計から、子時計は通常30秒あるいは1分ごとの信号を受けて間欠的に運針するが、同期電動機を使って連続的に針を送るものもある。子時計のなかには単独時計であって外部から適時信号を受け指針修正されるものもあるが、一般のものは、信号を受けて電磁石が作動し、爪車(つめぐるま)を1歯ずつ送るといったきわめて簡単な構造をもち、単独では時計として使用できない。
[元持邦之]