観音沢遺跡(読み)かんのんざわいせき

日本歴史地名大系 「観音沢遺跡」の解説

観音沢遺跡
かんのんざわいせき

[現在地名]高清水町 観音沢

高清水の町並より南東約一・五キロの丘陵、標高二三メートルの平坦面に立地する。昭和五一年(一九七六)・五二年、東北新幹線の工事に伴う調査が実施され、古墳時代後半の集落跡と中世の集落群が発見された。城館跡以外の調査で、初めて中世の集落跡が発見されたとして注目を浴びた。遺構は古墳時代のものとして竪穴住居跡一五棟と円形周溝一がある。中世期のものとしては、掘立柱建物跡六棟があり、しかも井戸が組合せられ、屋敷跡かと推定される。ほかに竪穴状の土倉跡二基があるが、とくに東西約三・三メートル、南北約二・九メートル、深さ約一・八メートルの竪穴式土壙には、丸木柱壁板が遺存し、全国でも類例が少なく、中世建築史上貴重な資料の発見といわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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