六訂版 家庭医学大全科 「角化異常症」の解説
角化異常症
かくかいじょうしょう
Dyskeratosis
(遺伝的要因による疾患)
どんな病気か
体全体または一部の角層が分厚く、硬く、
原因は何か
角層産生に関わるさまざまな遺伝子の変異が原因になります。
代表的には、
掌蹠(しょうせき)角化症の一部ではケラチン9などの遺伝子異常が明らかになっていますが、原因不明の病気も少なくありません。
症状の現れ方
尋常性魚鱗癬や伴性劣性魚鱗癬では皮膚が魚の
道化師様魚鱗癬では分厚い角層に大きい亀裂を伴って生まれてきます。
非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症では、全身の
水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症では乳児期には水疱形成が目立ち、年齢とともに全身の角層が肥厚し、縞模様を示すようになります。
掌蹠角化症では乳児期より角層の肥厚が掌蹠(手の平や足の裏)に限局して生じます。年齢とともに角層肥厚が増強し、亀裂、疼痛を伴います。
治療の方法
症状の程度に応じて、角質融解薬、活性型ビタミンD3外用薬、エトレチナート、サリチル酸ワセリンを組み合わせ、生活の質(QOL)の改善を目指した治療を行います。
病気に気づいたらどうする
皮膚の生検組織を用いた検査、遺伝子診断解析などを行い、診断を確定します。遺伝カウンセリングを受けて、病気に対する理解を深めることも大切です。
山西 清文
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報