角立つ(読み)カドダツ

デジタル大辞泉 「角立つ」の意味・読み・例文・類語

かど‐だ・つ【角立つ】

[動タ五(四)]
角ばっている。かどばる。「―・っている石」
事が円満を欠き、とげとげしいようすになる。かどがたつ。「そういう態度では話が―・つ」
人の目を引く。目立つ。
さいにこれと云って―・った悪いことはありません」〈鴎外・蛇〉
[動タ下二]かどだてる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「角立つ」の意味・読み・例文・類語

かど‐だ・つ【角立】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 タ行五(四) 〙
    1. かどばっていて、なめらかでない。かどがたつ。
      1. [初出の実例]「閼伽の水汲手こそいたけれ あつ風呂のかいげの柄共かとたちて〈貞徳〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)一四)
    2. わざとらしくなる。改まっている。
      1. [初出の実例]「今迄とは事かはり案内なしも無礼なり。物もうも角だつ」(出典:浄瑠璃・鑓の権三重帷子(1717)下)
    3. 人の目をひく。人の注意をひく。
      1. [初出の実例]「其中で廉立(カドダ)った箇条には、どうしても打消されぬ証拠があり」(出典:颶風新話(航海夜話)(1857)初)
      2. 「妻にこれと云って廉立(カドダ)った悪いことはありません」(出典:蛇(1911)〈森鴎外〉)
    4. 人の神経を刺激するようなふるまいをする。あらっぽくなる。また、理屈っぽい言い方や杓子定規な態度をして、物事が荒立つようにする。かどがたつ。
      1. [初出の実例]「方直は、正直にかと立て、かとをたをさぬ物ぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)二)
      2. 「此を何とか一つ稜立(カドダ)たぬやうに、巧く片附けたいもの」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙かどだてる(角立)

つの‐だ・つ【角立】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 タ行四段活用 〙
    1. かどがとがっている。かどだつ。
    2. 他との区別がはっきりとしていて、めだつ。きわだつ。
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙つのだてる(角立)

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