言い流す(読み)いいながす

精選版 日本国語大辞典 「言い流す」の意味・読み・例文・類語

いい‐なが・すいひ‥【言流】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 後世、または世間に広く言いふらす。言い広める。ふれ流す。
    1. [初出の実例]「只海(あま)浮木(うきき)の浮べたる事をのみいひなかし」(出典:観智院本三宝絵(984)序)
    2. 「あさき名をいひながしける川口はいかが漏らしし関の荒垣」(出典:源氏物語(1001‐14頃)藤裏葉)
  3. 謡曲などを、流れるように、さらりとうたう。とどこおることなくうたい続ける。また、文章で、言葉が途切れないようにさらりと書き綴る。
    1. [初出の実例]「いいながす言葉の吟のなびきによりて」(出典:音曲声出口伝(1419))
  4. 言ってそのまま、ほうっておく。無責任に言う。
    1. [初出の実例]「ひだりの手して箸を持、鉄鎚(かなづち)にて茶釜たたき割とも、『気のつよき所、男はそれじゃぞ。〈略〉』と云流(イヒナガ)し」(出典:浮世草子西鶴織留(1694)六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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