言ひ出だす(読み)イイイダス

デジタル大辞泉 「言ひ出だす」の意味・読み・例文・類語

いい‐いだ・す〔いひ‐〕【言ひ出だす】

[動サ四]
内から外にいる人に向かって言葉をかける。
「中より、…中なる人だに静心しづごころなくはべるを、と―・したれば」〈かげろふ・下〉
口に出して言う。いいだす。
「なまひがひがしきことも、物の折に―・したりけるを」〈紫式部日記
言い始める。
神事に穢れありといふ事、近く人の―・せるなり」〈徒然・一四七〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「言ひ出だす」の意味・読み・例文・類語

いい‐いだ・すいひ‥【言出】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙
  2. 部屋、家、屋敷などの内から外の人に向かって言う。または、取り次ぎに伝えさせる。⇔言い入れる
    1. [初出の実例]「かの家のあるじ、かくさだかになんやどりはあると、いひいだして侍りければ」(出典:古今和歌集(905‐914)春上・四二・詞書)
  3. いいいず(言出)
    1. [初出の実例]「心におもふ事を、見るもの、きくものにつけて、いひいだせるなり」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
  4. 最初に言う。言い始める。言いだす。
    1. [初出の実例]「左大臣のいへ、むかしよりよろしからず心きこゆる人なり。そのわたりよりいひいだしたることななり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)忠こそ)

言ひ出だすの語誌

→「いいいず(言出)」の語誌

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