言入れる(読み)イイイレル

デジタル大辞泉 「言入れる」の意味・読み・例文・類語

いい‐い・れる〔いひ‐〕【言(い)入れる】

[動ラ下一][文]いひい・る[ラ下二]
外から屋敷・部屋の中に向かって言う。取り次ぎを介して内へ伝える。
「『御頼おたの申します』…斯う―・れた一人紳士がある」〈藤村破戒
言って人の耳に入れる。申し入れる。
「『…御分家の姉さんは遠慮していただきたい』などと―・れる者さえあった」〈谷崎細雪

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精選版 日本国語大辞典 「言入れる」の意味・読み・例文・類語

いい‐い・れるいひ‥【言入】

  1. 〘 他動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]いひい・る 〘 他動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 外から、部屋、家、屋敷の内にいる人に向かって言う。または、取り次ぎに伝えさせる。⇔言いいだす
    1. [初出の実例]「かくきこえたまへとて門のはざまよりいひいれける」(出典:大和物語(947‐957頃)七六)
  3. 言って耳などに入れる。また、物の中などに入れこめる。
    1. [初出の実例]「夜いひつることの名残、女の耳にいひいれて」(出典:枕草子(10C終)六三)
  4. 申し込む。特に、結婚を申し込む。
    1. [初出の実例]「表向言ひいれやうといふ約束にしたァな」(出典:人情本・花筐(1841)二)
  5. ある話題へ話を導く。話の筋を思う方向へ運ぶ。
    1. [初出の実例]「太子の気にちがいそむる事へ云入るるぞ」(出典:史記抄(1477)六五)

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