言付・託(読み)ことづける

精選版 日本国語大辞典 「言付・託」の意味・読み・例文・類語

こと‐づ・ける【言付・託】

〘他カ下一〙 ことづ・く 〘他カ下二〙 (古くは「ことつける」)
① 他のことにことよせる。口実を設ける。かこつける。託す。
※塗籠本伊勢物語(10C前)二一「はかなき事にことつけて世中をうしと思て」
② 人に頼んで、先方にことばやものなどを伝えてもらう。伝言する。依託する。
※実方集(998頃)「おぼつかな我がことつけし郭公はやみの里をいかて鳴くらん」

こと‐づけ【言付・託】

〘名〙
① かこつけること。こと寄せること。口実。
源氏(1001‐14頃)真木柱「つきづきしきことつけどもつくりいでて、父おとどなどかしこくたばかり給ひてなむ」
他人を通じて意志用件を先方に伝えること。ことづけること。また、そのことば。ことづて。伝言。寄託
※枕(10C終)八三「『職へなむ参る、ことづけやある、いつか参る』などのたまふ」

こと‐づか・る【言付・託】

〘他ラ五(四)〙 他人から伝言・品物用事などを頼まれる。依託される。いいつかる。
※中華若木詩抄(1520頃)中「故郷よりして愁をことつかりて来た者ぞ」

こと‐づかり【言付・託】

〘名〙 依頼されること。また、そのもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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