寄託(読み)きたく(英語表記)deposit

翻訳|deposit

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

寄託
きたく
deposit

当事者の一方 (→受寄者 ) が相手方 (寄託者) のために物を保管することを約する契約 (民法 657) 。受寄者が目的物を受取ることによって成立するものとされる (→要物契約 ) 。保管料を支払う必要があるかどうかは特約によるが,保管料の支払われる場合の保管義務のほうが重い。寄託者は,目的物の返還時期が定められている場合でも自由に返還請求ができる。なお,商人が受寄者である場合には,重い保管義務の規定がある (商法 593) 。商法上の寄託として倉庫営業につき詳しい規定が設けられている。

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デジタル大辞泉の解説

き‐たく【寄託】

[名](スル)
物品などを他人に預け、その処置や保管を頼むこと。「故人の蔵書を市に寄託する」
当事者の一方(受寄者)が相手方(寄託者)のために保管することを約束して、ある物を受け取ることによって成立する契約。

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百科事典マイペディアの解説

寄託【きたく】

当事者の一方(受寄者)が,相手方(寄託者)のために物を保管することを約し,それを受け取ることによって成立する契約(民法657条以下)。原則として無償であるが,特約で有償とすることもできる。目的物の返還時期を定めた場合でも,いつでもその返還を請求できる。寄託のうち最も重要な倉庫業については商法に特則がある。→消費寄託
→関連項目供託保護預り

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世界大百科事典 第2版の解説

きたく【寄託】

当事者の一方が相手方のために保管をすることを約して,ある物を受け取ることによって効力を生ずる契約(民法657~666条)。物の受取により契約の効力が生ずるところから,寄託契約は要物契約に属している。民法上の寄託は,好意的に行われることが多いところから無報酬を原則とするものとされ,経済的にさほど重要な役割を果たす契約とはいえない。これに対し,商法上の寄託(商事寄託)は営業として行われて重要な経済的機能を発揮し,またこれを発展させた倉庫営業の制度もある。

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大辞林 第三版の解説

きたく【寄託】

( 名 ) スル
金銭や物品を他人に預け、その使い道や処理を頼むこと。 「寄付金を新聞社に-する」
〘法〙 当事者の一方(受寄者)が、相手方(寄託者)のために物を保管することを内容とする契約。受寄者がその物を受け取ることによって成立する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

寄託
きたく

当事者の一方(受寄者)が相手方(寄託者)のために保管することを約して、ある物を受け取ることによって効力を生じる、要物・不要式・無償・片務の契約をいう(民法657条)。ただし諾成的寄託(合意のみで目的物の引渡しを必要としない)の成立も可能であり、また、報酬の特約がある場合には、有償・双務の契約となる。
 寄託により、受寄者は目的物を保管する義務を負う。保管にあたって負う注意義務について、有償寄託の場合には善良なる管理者の注意(同法400条)、無償寄託の場合には自己の財産におけると同一の注意(同法659条)である。また、受寄者は、寄託者の承諾がない限り保管を第三者にさせることはできない(同法658条1項)。また、寄託物について権利を主張する者が受寄者に訴えを提起したなど、一定の場合には通知義務を負い(同法660条)、委任の場合におけると同様、金銭その他の物および消費金支払い義務を負う(同法665条・646条・647条)。そして寄託が終了したときには寄託物を返還しなければならない。他方、寄託者は費用前払い義務、立替え費用および利息の償還義務、債務弁済および担保供与の義務を負い(同法665条・649条・650条)、有償寄託の場合には、さらに報酬を支払わねばならない。[淡路剛久]

消費寄託

受寄者が目的物そのものを返還するのではなく、同種・同等・同量の物を返還する場合(銀行の貸付など)を消費寄託という。不規則寄託ともよばれる。寄託の一種ではあるが、消費貸借に類似しているので、返還時期(寄託者はいつでも返還を請求できる)の点を除いて、すべて消費貸借の規定が準用される(同法666条)。なお、商法の寄託は商事寄託とよばれる。[淡路剛久]

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図書館情報学用語辞典の解説

寄託

個人や団体が,その所有するコレクションの適正な維持管理が困難になった場合に,図書館や文書館などに保管と管理を委託する形で長期間貸与すること.寄贈の場合とは異なり,所有権の移転は行われない.通常は寄託資料の保管と管理を委託する代わりに,それらの資料を一般の利用に供するが,貴重書や文書類などが寄託される場合には公開に一定の制限が付けられることもある.

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