言合(読み)いいあわせる

精選版 日本国語大辞典 「言合」の意味・読み・例文・類語

いい‐あわ・せる いひあはせる【言合】

〘他サ下一〙 いひあは・す 〘他サ下二〙
① 話し合う。互いに話す。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「まづはかなき事も、おのれといひあはするに」
② 親しく相談する。
蜻蛉(974頃)中「いひあはすべきこともあればただいまわたる」
③ 前もって話し合っておく。申し合わせる。口約束する。
※宇治拾遺(1221頃)二「この男ども、〈略〉おどしてはしらせて、笑はんといひあはせて」
④ うまく事実に合うように表現する。言い当てる。
※宇治拾遺(1221頃)一一「『めくら』といふにつきて、〈略〉『鼻くら』にいひあはせたるが、おかしき事の一也とか」

いい‐あい いひあひ【言合】

〘名〙
① 言い合うこと。互いに言うこと。
※羽なければ(1975)〈小田実一二「『拾うて、あっちゃんのお土産にするか』『おじいちゃんのお土産にしはったほうがええ』というようなことを言いあいしながら」
② 言い争うこと。言い争い。口論。いさかい。
浄瑠璃女殺油地獄(1721)中「扨(さて)親子のいひ合と疑はれ、夫婦義理もかけはてる」

いい‐あ・う いひあふ【言合】

〘他ワ五(ハ四)〙
① ある事柄について、何人かの人々が言い交わす。相応じて言う。また、歌などを詠み合う。
土左(935頃)承平四年一二月二六日「やまとうた、あるじもまらうどもことひともいひあへりけり」
② 互いに言葉で争う。言い争う。口げんかをする。口論する。
※浄瑠璃・世継曾我(1683)二「今にも来らせ給ひなばいざ云合て振らふぞや」

いい‐あわ・す いひあはす【言合】

[1] 〘他サ下二〙 ⇒いいあわせる(言合)
[2] 〘他サ四(五)〙 =いいあわせる(言合)
人情本・英対暖語(1838)五「一生二個(ふたり)同居(いっしょ)に活素(くら)そふと言合(イヒアハ)したものを」

いい‐あわせ いひあはせ【言合】

〘名〙
① 前もって相談すること。申し合わせ。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)一「月氏へ云合せに行と云て」
近世、大坂堂島で行なわれた、毎日の米相場値段表をいう。〔大坂繁花風土記(1814)〕

こと‐あわせ ‥あはせ【言合】

〘名〙 ことばの続けぐあい、調子語調
永久百首(1116)雑「祈ること奈良の社をこうこうとことあはせよく口走るなり〈源俊頼〉」

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