言問団子(読み)コトトイダンゴ

精選版 日本国語大辞典 「言問団子」の意味・読み・例文・類語

こととい‐だんごこととひ‥【言問団子】

  1. 東京都墨田区向島の言問橋付近で売る名物の団子。江戸末期の創製。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「言問団子」の意味・わかりやすい解説

言問団子
ことといだんご

東京・向島(むこうじま)名物の三色団子。小豆餡(あずきあん)、白餡は団子の表面につけ、黄色い団子はみそ餡をくるんだもの。幕末のころ、下総(しもうさ)国須崎(すさき)村(東京都墨田(すみだ)区向島)の植木屋外山佐吉は、庭石を見にくる客に手作りの団子を勧め、墨東(ぼくとう)での評判を高めたことから団子屋に転業した。1869年(明治2)のことである。ところが、目と鼻の先には高名な長命寺桜餅(さくらもち)があり、客足はそちらに流れていった。たまたま長命寺に住んでいた俳人花城と、茶人の中村知常が佐吉に肩入れし、東下(あずまくだ)りの在原業平(ありわらのなりひら)が隅田川で詠んだ「名にしおはばいざ言(こと)問はむ都鳥 わが思ふ人はありやなしやと」の一首にちなみ、言問団子と名づけることを勧めてから、しだいに繁盛して今日に至った。白みそ餡をくるんだ団子は求肥(ぎゅうひ)製で、向島の水戸屋敷の梅林の梅の実に想を得たという。

[沢 史生

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