日本大百科全書(ニッポニカ) 「新粉」の意味・わかりやすい解説
新粉
しんこ
精白した粳米(うるちまい)を水に浸して、風乾後粉砕し、粒子をふるい分けて熱風乾燥したもの。粒子の細かい上新粉と粗い並新粉があるが、一般には上新粉が市販されている。きめが細かく、色の白いものが良品である。とくに、粒子の細かい粉を集めたものは上用粉とよび、上級の製菓用となる。大福餅(もち)、柏餅(かしわもち)、団子、塩煎餅(せんべい)など、和風の製菓材料として広く用いられている。新粉を用いた餅や団子は、比較的粘りは少なく、特有のしこしこした歯あたりをもつ。新粉は粳米を粉にしたもので、ジャガイモなどのデンプンに比べると粒子が大きい。そのため、水を加えても吸水量が少なく、ぱさぱさして扱いにくいため、こねるときは熱湯を用い、米のデンプンの一部を糊化(こか)させてまとめ、さらに適当な大きさにまとめて蒸し器で蒸し、すりこぎなどで搗(つ)いて粘りを出す。