言国卿記(読み)ときくにきょうき

改訂新版 世界大百科事典 「言国卿記」の意味・わかりやすい解説

言国卿記 (ときくにきょうき)

室町時代後期の公卿山科言国(1452-1503)の日記。途中が欠けているが,1474年(文明6)から1502年(文亀2)までが現存。衰微期の朝廷はじめ公家社会の実態や室町幕府内の権力争い,土一揆のありさまが克明に記されている。山科家は禁裏供御を管掌する内蔵頭を世襲していたので,この時期の皇室経済や衣服食物のことを知る上で重要。自筆原本は宮内庁書陵部に18冊,京都大学に1冊所蔵されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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