宮内庁書陵部(読み)くないちょうしょりょうぶ

山川 日本史小辞典 改訂新版 「宮内庁書陵部」の解説

宮内庁書陵部
くないちょうしょりょうぶ

内閣府外局である宮内庁の部局の一つ。1884年(明治17)8月27日の太政官達によって宮内省の一部局として設置された図書寮(ずしょりょう)が前身。図書寮は第2次大戦後,廃止された諸陵寮の所管事務を引き継ぎ,1949年(昭和24)6月1日,国家行政組織法の施行により総理府の一外局の部局として宮内庁書陵部改称。おもな職掌としては,皇統譜に関する事項,天皇および皇族実録の編修,御陵の管理,収蔵図書の保管・修補・閲覧など。書陵部が収蔵する図書は歴代皇室手沢本(しゅたくぼん)をはじめとして,桂宮・伏見宮家など累代の御蔵本,旧堂上(とうしょう)公家・旧大名・武家などからの献上買上本,江戸幕府紅葉山文庫からの移管本など,約45万点以上にのぼる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宮内庁書陵部」の意味・わかりやすい解説

宮内庁書陵部
くないちょうしょりょうぶ

1884年奈良時代以来の図書寮 (ずしょりょう) を復活して宮内省の一部門となったが,第2次世界大戦後諸陵寮と合併して書陵部となった。皇室の蔵書を引継ぎ,皇室の系譜と実録を保管し,歴代の御手許本をはじめ,桂宮家その他の宮家と堂上公家の文庫,紅葉山文庫,海外諸国からの献上本などを収蔵する。平安から室町時代文献が多い。「書陵部和漢図書分類目録」4冊があり,専門研究者,大学院生は紹介者があれば閲覧を許可される。

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世界大百科事典(旧版)内の宮内庁書陵部の言及

【図書館】より

…ここには書物奉行がおかれ,在任者には青木昆陽,近藤重蔵の名が見える。その蔵書は今日,一部は宮内庁書陵部,大部分は国立公文書館に移管されている。 このほか幕府の直轄学校昌平黌(しようへいこう)に文庫が併置され,紅葉山文庫の本も何度か移されている。…

※「宮内庁書陵部」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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