言所（読み）いうところ

精選版 日本国語大辞典

いう【言】 所(ところ)

1. ( 「所謂」の訓読から )
2. ① 言うこと。口にしたことば。
   1. [初出の実例]「云(イフ)所傍若無人(ばうじゃくぶじん)也」(出典：太平記（１４Ｃ後）一五)
3. ② ( 「言う所の」という形で用い、「言う」の連体修飾法を強めた言い方 ) 言っているその。世間で言う。いわゆる。
   1. [初出の実例]「ある人所云(イフトコロ)の人心風俗を察するとは」(出典：文明論之概略（1875）〈福沢諭吉〉一)

いい‐どころいひ‥【言所】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 言うべき時機。申し述べるきっかけ。また、言うにふさわしい相手。
   1. [初出の実例]「あまりいとうるはしく、我おこたりいひ所なくおはしますにぞ、われも、言ずくなになりて」(出典：夜の寝覚（1045‐68頃）五)
3. ② 言うべき点。言いたい箇所。言う価値。
   1. [初出の実例]「かばかりの宿世なりければ、いますこしいひ所あることもこそまさらめ」(出典：とりかへばや物語（１２Ｃ後）上)

いう‐ところいふ‥【言所】

1. ⇒いう（言）所

出典　精選版 日本国語大辞典