デジタル大辞泉
「宿世」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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すく‐せ【宿世】
- 〘 名詞 〙 ( 後世「すぐせ」とも ) 仏語。
- ① 過去の世。さきの世。前世。しゅくせ。
- [初出の実例]「すくせのえにしあれば、大夫さまともてはやされ」(出典:仮名草子・都風俗鑑(1681)二)
- ② 前世からの因縁。宿縁。宿命。宿業。しゅくせ。
- [初出の実例]「わがすくせの逃れざりけるを」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
宿世の語誌
( 1 )梵語 pūrva また atīta の漢訳語。三世の過去世をさす語で、①が本来の用法であるが、中古仮名文学では②の用法が中心である。一〇世紀中頃まで仏書以外にはほとんど用例がない。
( 2 )仮名表記「すくせ」は古代日本語の音韻的制約から、拗音シュを直音化したもの。他に「シウせ」〔教行信証・六〕の表記も見える。
( 3 )「すぐせ」は「すくせ」から転じて、「過去の世」という意識のもとにできた読みかといわれる。なお、和文の類はほとんど「すくせ」と表記されているが、「日葡辞書」「易林本節用集」などでは「しゅくせ」とよんでいるので、漢字で表記された例、仏典の例は「しゅくせ」に便宜上一括した。
しゅく‐せ【宿世】
- 〘 名詞 〙 仏語。
- ① 生死を重ねてきた過去世。前世。先の世。宿生(しゅくしょう)。すくせ。
- [初出の実例]「明二宿世因縁一広開三顕一、化二下根人一」(出典:法華義疏(7C前)一)
- 「天上に生て後、宿世の恩を報ぜむとて」(出典:海道記(1223頃)蒲原より木瀬川)
- [その他の文献]〔無量寿経〕
- ② 前世の因縁。宿業。宿縁。宿命。すくせ。
- [初出の実例]「男女のえんしゅくせ、今にはじめぬ事ぞかし」(出典:平家物語(13C前)一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「宿世」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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