日本大百科全書(ニッポニカ) 「許世友」の意味・わかりやすい解説
許世友
きょせいゆう / シュイシイユー
(1906―1985)
中国の軍人。湖北(こほく/フーペイ)省の農家出身。軍閥の兵士から紅軍に加わり、第四方面軍総司令であった徐向前(じょこうぜん/シュイシヤンチエン)のもとで師団長となり、長征に参加、延安(えんあん/イエンアン)の抗日軍政大学に学ぶ。人民共和国成立後は、山東軍区司令、全国人民代表、国防委員会委員、国防次官などの任につき、1960年、南京(ナンキン)軍区司令。以後長く上海(シャンハイ)を含む南京軍区を一手に掌握した。林彪(りんぴょう/リンピァオ)事件以後、1974年、南京から、林彪の影響の強かった広州軍区司令に転出した。1982年の中国共産党第12回大会で、鄧小平(とうしょうへい/トンシヤオピン)主任のもとで中央顧問委員会副主任となった。
[安藤彦太郎]