日本大百科全書(ニッポニカ) 「許容上限摂取量」の意味・わかりやすい解説
許容上限摂取量
きょようじょうげんせっしゅりょう
ビタミン、ミネラル(無機質)など、過剰に摂取すると健康被害などがおこる栄養素について、厚生労働省が設定する摂取の上限値。旧厚生省は、健康を保つうえで必要なエネルギーや栄養素の摂取量の目安を示す『日本人の栄養所要量』を1970年(昭和45)に策定、栄養指導や給食計画などに使われているが、これは5年に一度改訂される。2000年(平成12)4月からは第六次改訂版が使われているが、そのなかで初めて過剰摂取対策として上限値が設定された。設定されたのは、ビタミンA、D、Eなど7種のビタミンと、カルシウム、鉄、リン、マグネシウムなど11種のミネラル。高まる「健康志向」のなかで、一部に特定成分だけをとりすぎる傾向もある。上限値の設定により、バランスある栄養摂取の必要性を喚起している。
[平林千春]