ごさ‐ろん【誤差論】
- 〘 名詞 〙 数学の一分野。何個かの測定値から最も信頼できる値を定めることや、定められた値の精密度などを研究する。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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誤差論
ごさろん
theory of errors
もともとは,天文学,測地学などの測定結果の不一致を処理するために興ったもので,真の値を推測するために確率論を応用して研究する数学の一部門である。測定値 y から真の値μを引いたものを誤差εとする (ε=y-μ) と,ガウスによれば,εの値が x と x+dx の間にくる確率は,測定の単位を適当に取れば,
で与えられる。言い換えれば,εは確率密度が
であるような確率変数である。このとき,εが正規分布しているという事実を「ガウスの誤差法則」と呼ぶ。誤差の絶対値が一定数 r より大きくなる確率を p1 ,r より小さくなる確率を p2 とするとき,p1=p2 を満足するような r を確率誤差という (→測定 ) 。しかし,近年は電子計算機の発達につれて大規模な数値計算が行われるようになり,それに伴って,数値計算の誤差解析の理論のほうが重要さを増し,誤差論の中心課題となってきた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の誤差論の言及
【誤差】より
…測定,理論的推定,近似計算などの結果として得られた値と真実の値との差。諸量の測定値の誤差を数学的に取り扱う誤差論は,1800年代の初めにC.F.ガウスによって始められた。その主要な内容は彼自身によって完成されたといってよいほどで,同じガウスにより創始された[最小二乗法]と表裏をなすものである。…
※「誤差論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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