測地学(読み)そくちがく(英語表記)geodesy

  • 測地学 geodesy

翻訳|geodesy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

地球の状とその変化を研究する科学。天文測量三角測量水準測量重力測量地磁気測量などの方法がある。古く 195年にはエラトステネスの太陽高度を利用した地球の大きさの測量があった。幾何測地学では,回転楕円体を基準面として地表地点の幾何学的な相互関係から人工衛星の観測などによって,地球の形状と大きさを求める。物理測地学では,地球の重力に基づいて,海面永年の平均の形を等重力のポテンシャル面とみなして (これをジオイドと称する) ,この重力場から地球の形状を求めようとする。それらの応用として,地表各点の高さや水平距離の変移から地殻の変移,地震予知,重力や磁気分布,変動から地殻構造の研究を行うなど,地球物理学と密接なかかわりあいがある。

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百科事典マイペディアの解説

地球の形・大きさを決定し,また地球上任意の地点の位置を求める方法を研究する科学。幾何学的要素の多い幾何測地学(三角測量,地図投影等),力学的要素の多い物理測地学(重力測定,ジオイド決定等)に分かれる。地震学,地質学と関係が深い。
→関連項目測地衛星

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世界大百科事典 第2版の解説

地球の大きさと形状,およびその時間的変化を研究対象とする学問体系。一般の測量学と異なり,地球の曲率が考慮される。大測量学あるいは測地測量学ともいう。 測地学はその方法によって幾何測地学と物理測地学とに大別される。前者はおもに光学的方法によって幾何学的に地球の寸法を測定する方法であるが,後者重力ポテンシャルが考慮される方法である。三角測量や三辺測量は前者に,水準測量や重力測量は後者に分類される。しかし地表上で実施されるすべての測地測量は多かれ少なかれ地球重力場の影響を受ける。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

地球の形、大きさを求め、その変化を追求するとともに、他の科学分野と協力して地球内部の構造や状態を探求する学問。測地観測に使用する機器の開発、観測結果の整約法(誤差を含むたくさんの観測データを理論に基づき、より正確で相互に矛盾のない統一した結果に計算し直す方法)についての研究も測地学に含まれる。測地学の内容は現在次のように大別されている。

(1)幾何測地学 地球の形を回転楕円(だえん)体であるとし、天文観測、測地測量などの結果から観測点の経緯度、高さを決め、それをもとに地球を表す楕円体の形と大きさを決定し、観測点と地球との位置関係を明らかにすることを中心とする。

(2)物理測地学 地球の形をジオイドで代表させ、地表の重力値の分布をもとにジオイドの形、凹凸を求め、観測点とジオイドの位置関係を求めることを主題とする。

(3)人工衛星測地学 地球を回る人工衛星の位置、距離を地上から観測することから、観測点の位置を幾何学的に決め、あるいは人工衛星の軌道変化をもとに衛星の運動理論を使って地球の形状を決定していく測地学。全地球測位システム(GPS)衛星を利用する測地学もここに含まれる。

 測地学はもっとも古い学問の一つで、エジプトのエラトステネスが紀元前220年ごろに地球子午線の全長として25万スタジアという値を出したことに始まるといわれる。初期には球と考えられた地球も、測地学の進歩によって18世紀には扁平な楕円体により近いことが確認され、現在ではさらに精密な形状が明らかになっている。

[長沢 工]

『萩原幸男著『測地学入門』(1982・東京大学出版会)』『大野重保著『測地学の方法』(1987・東洋書店)』『藤井陽一郎・藤原嘉樹・水野浩雄著、地学団体研究会編『新版地学教育講座1 地球をはかる』(1994・東海大学出版会)』『檀原毅著『地球を測った科学者の群像 測地・地図の発展小史』(1998・日本測量協会)』『日本測地学会監修、大久保修平編著『地球が丸いってほんとうですか?――測地学者に50の質問』(2004・朝日選書)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 地球の形と大きさをきめ、地球上のある地点の位置をきめたり、そこの形状・変動などを研究したりする学問。
※分度余術(1728)上之上(古事類苑・文学四一)「近有測地学、亦地理之一端也」

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世界大百科事典内の測地学の言及

【地球物理学】より

…地球を物理学的方法によって研究する地球科学の一分野。固体としての地球(岩石圏)を取り扱う測地学,地震学,火山学,地磁気学などと,地球表面あるいは近傍の水圏および気圏を取り扱う海洋学,気象学,陸水学,超高層物理学などの2大分野に大別される。測地学は地球の形,大きさ,内部構造などを測地観測の結果をもとに議論し,また地殻の変動を議論する。…

※「測地学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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