読切(読み)よみきる

精選版 日本国語大辞典 「読切」の意味・読み・例文・類語

よみ‐き・る【読切】

〘他ラ五(四)〙
書物などを終わりまで読む。全部を読む。読み終わる。〔文明本節用集(室町中)〕
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「今まで読だ書物の中でさるれえの『いるりゅうじょんす』ほど面白く思ったものは無いな。二日一晩に読切って仕舞ったっけ」
② 文をつづけないで切るようにして読む。
史記抄(1477)九「古本にはつよう読きるそ」
事態変化を先まですっかり見通す。
狂風記(1971‐80)〈石川淳三五「その奥まで深くは読みきれないままに」

よみ‐きり【読切】

〘名〙
① 全部を読んでしまうこと。読みきること。
※雑俳・玉の光(1844‐45)一「御堂の前・たった二日で読切りじゃ」
文中の句と読。句読(くとう)
講談落語小説などで、一回で完結し、連続しないこと。また、そのもの。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉六「大たたかひにおよぶのお物語今日の読切(ヨミキリ)言上仕ります」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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