諸山(読み)しょざん

精選版 日本国語大辞典 「諸山」の意味・読み・例文・類語

しょ‐ざん【諸山】

〘名〙 (「しょさん」とも)
① あちこちの多くの山。しょせん。
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)四「また大海江河、および目真隣陀山、摩訶目真隣陀山、鉄囲山、大鉄囲山、須彌山等の諸山(ショサン)の王なし」
② あちこちの多くの寺。諸寺。また、いろいろの宗派諸宗
※授菩薩戒儀(885)「若依庭儀之、楼門道及堂前儀式、一如諸山通用之式
※九冊本宝物集(1179頃)二「諸寺諸山のそうをめすに、南山に尊き上人を一人たづね出されけるを」
禅宗の官寺制度で、五山・十刹に次ぐ第三の寺格
※円覚寺文書‐文和三年(1354)九月二二日「茲職欠人者、毎度可名徳諸山西堂

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デジタル大辞泉 「諸山」の意味・読み・例文・類語

しょ‐ざん【諸山】

あちこちの多くの山。
あちこちの多くの寺。また、いろいろの宗派。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「諸山」の解説

諸山
しょざん

甲刹(かっさつ)

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世界大百科事典(旧版)内の諸山の言及

【五山・十刹・諸山】より

…最上位の5ヵ寺の禅寺である五山は,径山(きんざん)興聖万寿禅寺,北山景徳霊隠(りんにん)禅寺,太白山天童景徳禅寺,南山浄慈(じんず)報恩光孝禅寺,阿育王山広利禅寺で,五山に次ぐ十刹は永祚寺,万寿寺,興国寺,光孝寺,資聖寺,竜翔寺,崇聖寺,宝林寺,雲岩寺,教忠寺の10ヵ寺である。十刹の下位が諸山で,中国では甲刹(かつさつ)と称し南宋末から元初にかけて各州に設定され,35ヵ寺を数えた。 この中国禅林の官寺制度が日本に移入されるのは鎌倉末期であるが,制度として確立をみるのは室町期である。…

※「諸山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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