精選版 日本国語大辞典 「須彌山」の意味・読み・例文・類語
しゅみ‐せん【須彌山】
- [ 1 ] ( [梵語] Sumeru の音訳。妙高山、妙光山などと訳す ) 仏教の世界観で、世界の中心に聳えるという高山。大海中にあり、高さ八万由旬(ゆじゅん)(一由旬は四〇里)、水に没している部分も八万由旬、縦・横もこれに等しく、金・銀・瑠璃・玻璃の四宝から成り頂上には帝釈天、山腹には四天王が住し、日月がその周囲をめぐるとし、七つの香海と七つの金山がこれをとりまき、七金山の外に鹹海(かんかい)を隔てて鉄囲山がこの世界の外郭をなし、鹹海の四方に瞻部洲など四大州があって、衆生はここに住むとする。しゅみ。すみせん。しゅみろうせん。
- [ 2 ] 〘 名詞 〙
- ① 「しゃみせん(三味線)」の転。
- [初出の実例]「酒宴の時須彌山などひかせ」(出典:三藐院記‐文祿三年(1594)五月二〇日)
- ② =しゅみせんじる(須彌山汁)
- [初出の実例]「しゅみせん なもとうふもいかにもこまかにきりたるをいふ。みそしるにだしくわふ」(出典:料理物語(1643)九)
- ① 「しゃみせん(三味線)」の転。
すみ‐の‐やま【須彌山】
- =しゅみせん(須彌山)
- [初出の実例]「身づから、すみの山を、右の手に捧げたり、山の左右より、月日の光さやかにさし出でて、世を照らす」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)