謝国明(読み)しゃ・こくめい

朝日日本歴史人物事典 「謝国明」の解説

謝国明

生年生没年不詳
南宋商人中国語読み「シエ・クオミン」。南宋臨安府(杭州市)の出身と伝えられる。鎌倉前期,博多に居住(櫛田神社の側か)して貿易従事円爾弁円に深く帰依し,仁治3(1242)年博多に承天寺を建立し,円爾を開山に招いた。寛元1(1243)年に円爾の勧めにより,火災で焼失した宋の杭州にある径山万寿禅寺に,材木1000枚を寄進した。中国・朝鮮航路の要地である玄界灘の宗像社領筑前国小呂島(福岡市)を領有し,その死後,後家尼と在地領主の三原種延との間に同島をめぐって相論が起きている。日本・南宋間の貿易や文化交流に大きな貢献をした。<参考文献>川添昭二編『よみがえる中世東アジアの国際都市博多』,網野善彦他編『海と列島文化3 玄界灘の島々

(関周一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「謝国明」の解説

謝国明 しゃ-こくめい

?-? 南宋(なんそう)(中国)の商人。
鎌倉時代に博多にすみ,玄界灘(なだ)の小呂島(おろしま)を拠点に南宋,朝鮮との貿易にたずさわる。仁治(にんじ)3年(1242)博多に承天(じょうてん)寺を建立し,円爾(えんに)をまねいて開山(かいさん)とした。臨安府(杭州市)出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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