警察制度改革問題(読み)けいさつせいどかいかくもんだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「警察制度改革問題」の意味・わかりやすい解説

警察制度改革問題
けいさつせいどかいかくもんだい

GHQ (→連合国総司令部 ) と占領下日本政府との間で繰広げられた日本の警察制度改革をめぐる問題。 1945年 10月4日 GHQは「特高」を中心とする思想警察,治安維持法などの廃止を指令し,日本政府も内務大臣その他警察関係機関の首脳部を罷免したが,翌年3月から GHQの招きで L.バレンタインを長とする都市警察企画・調査団,O.オランダーを長とする地方警察企画委員会が相次いで来日し,事業を開始した。その報告に基づいて警察制度改革の根本方針が確立し,48年3月7日,警察法が実施されて自治体警察,国家地方警察に2分され,また民主的運営のためにそれぞれの分野で民間人より成る公安委員会が組織された。しかし 54年7月1日,これに基本的な改革が行われ,2分された警察制度は都道府県警察として1本化・中央集権化され,東京都における警視庁を除き全国が警察庁の管轄下に入り,占領政策の顕著なものの一つでもあり,警察民主化の基本とも惜しまれた自治体警察は消滅した。

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