都道府県警察(読み)とどうふけんけいさつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「都道府県警察」の意味・わかりやすい解説

都道府県警察
とどうふけんけいさつ

都道府県警察機関。都道府県という地方公共団体の機関として設けられ、都道府県の区域につき警察の責務を遂行する任務を有する。広義では、管理機関たる都道府県公安委員会と実施機関たる狭義の都道府県警察を包括した概念として用いられる。都道府県警察は本質的には自治体警察であるが、警察事務が本来国家的性格と地方的性格とをあわせもつものであることから、旧警察法の市町村自治体警察のような完全な形の自治体警察ではなく、〔1〕警察庁の所掌事務について警察庁長官から指揮監督を受けること、〔2〕警視正以上の階級にある警察官は一般職の国家公務員とされること、〔3〕都道府県警察費のうち特定の事務に要する経費国庫支弁することなど、都道府県警察に対し国が一定の関与を行う仕組みになっている。

[木岡保雅]

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百科事典マイペディア 「都道府県警察」の意味・わかりやすい解説

都道府県警察【とどうふけんけいさつ】

都道府県に置かれ,それぞれの区域についての責務を行う警察。都道府県公安委員会が管理し,本部として警視庁および道府県警察本部が置かれる。警視正以上の警察官の俸給,および通信犯罪鑑識車両等の警備装備の経費は国庫負担。
→関連項目日本

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「都道府県警察」の解説

都道府県警察
とどうふけんけいさつ

現行警察法(1954制定)によって作られた警察制度。旧警察法(1947公布)で国家地方警察と自治体警察にわかれていた分権的警察制度をより集権的に改めたもの。各都道府県に都道府県公安委員会と都道府県警察がおかれたが,警察の中央機関である国家公安委員会が警察幹部の人事権をもち,警察庁が都道府県警察を指揮監督するようになった。

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世界大百科事典(旧版)内の都道府県警察の言及

【警察】より

…さらに〈警察の活動は,厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであつて,その責務の遂行に当つては,不偏不党且つ公平中正を旨とし,いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない〉(2条2項)としている。(1)都道府県警察 現行警察法は,以前の市町村の自治体警察を統合して都道府県警察とした。都道府県警察は当該都道府県について警察法2条にいう責務に任ずる。…

※「都道府県警察」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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