豆撒き(読み)まめまき

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

豆撒き
まめまき

節分の夜、鬼を追い払うためと称して煎豆(いりまめ)を撒く年中行事。食べ物を撒き散らす行為は散供(さんぐ)といって、下級の神霊に供物を供える一つの方法であったから、豆に限ったことではなく、また節分だけのことでもなかった。白米を撒くのを散米(うちまき)という。白米すこしを紙片に包んで神仏にあげるのをオサゴというのもお散供の変化したことばであり、家屋新築の棟上げに餅(もち)や粢(しとぎ)団子を投げるのも同類の趣旨に発したものである。年越の豆撒きにしても、大みそかに撒いたり正月の6日または7日に撒いたりする地方がある。節分の豆撒きは、一升枡(ます)に煎豆を入れて神棚にあげておき、一家の主人か長男が年男になって「福は内、鬼は外」を唱えながら部屋部屋に撒く。この豆を福豆とも年取り豆ともいい、家族は拾って年齢の数か、それより一つ多く食べる。節分の豆撒きは追儺(ついな)の式とも結び付き、社寺でも行う。このとき厄年の者が撒き役を勤めることが多いのは、厄を分散するのが本来の趣旨であったが、現在は著名芸能人や力士などを臨時の年男に仕立てて、裃(かみしも)姿で客寄せの手段として豆撒きをさせることが多くなった。[井之口章次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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