貞室(読み)テイシツ

デジタル大辞泉 「貞室」の意味・読み・例文・類語

ていしつ【貞室】

安原貞室やすはらていしつ

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精選版 日本国語大辞典 「貞室」の意味・読み・例文・類語

ていしつ【貞室】

  1. やすはらていしつ(安原貞室)

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改訂新版 世界大百科事典 「貞室」の意味・わかりやすい解説

貞室 (ていしつ)
生没年:1610-73(慶長15-寛文13)

江戸前期の俳人。姓は安原,名は正章(まさあきら),通称は彦左衛門,別号は一囊軒(いちのうけん),腐誹子(ふはいし)。京都の人。紙商を営む。屋号は鎰屋(かぎや)。1625年(寛永2)15歳で貞徳私塾に学び,18歳のころ俳諧を始めたらしい。野心的で自負心が強かったため,同門の諸家と争うことが多く,亡母追善の自注百韻《俳諧之註》(1632)を批判された腹癒せに,《氷室守(ひむろもり)》(1646)を出して重頼の《毛吹草(けふきぐさ)》(1645)を難じたり,《五条百句》(1663)を匿名で出版,同門の諸家を酷評し自己を賞揚したり,貞徳の没した翌54年(承応3)の歳旦吟で,貞徳直系の後継者を装って人びとの顰蹙(ひんしゆく)を買ったりした。しかし貞徳からは才を認められ,1648年(慶安1)刊《正章千句》に破格の批点を得,3年後には点者を許され,56年(明暦2),遺命によって貞門の代表的撰集《玉海集》を編集刊行,霊前に捧げた。作風は正統的でしかも俳諧性が豊かであったため,後年芭蕉ら蕉風俳人たちから俳諧正風の祖と仰がれた。編著にはほかに《片言かたこと)》(1650),《貞徳終焉記》(1653),《玉海集追加》(1667)などがある。貞徳の感化狂歌もよくし,〈今までは目見えせねども主人公八八といひし年もあきけり〉と辞世を詠んだ。寛文13年2月7日,64歳であった。〈これはこれはとばかり花の吉野山〉(《一本草》),〈松にすめ月も三五夜中納言〉(《玉海集》)。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「貞室」の解説

貞室 ていしつ

安原貞室(やすはら-ていしつ)

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世界大百科事典(旧版)内の貞室の言及

【北村季吟】より

…山城国粟田口の生れ。祖父宗竜・父宗円が連歌をよくした影響で,早くから文事に親しみ,16歳で貞室,22歳で貞徳に入門。1648年処女作《山之井(やまのい)》を刊行し,重頼と抗争中の貞室を助けて俳壇に名を挙げ,53年には《紅梅千句》の大興行に参加,跋文も書いた。…

※「貞室」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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