朝日日本歴史人物事典 「貞純親王」の解説
貞純親王
生年:生年不詳
平安前期の皇族。清和天皇と中務大輔棟貞王の娘の子。没年には異説がある。四品。貞観15(873)年4月親王宣下をうけたあと,中務卿,兵部卿,常陸太守などを歴任。『尊卑分脈』には,人々の夢に,一条大宮の桃園池に住む竜として現れたところから桃園親王と呼ばれたとあるが,これは貞純が竜,すなわち皇位継承者とみられていたことの反映ではなかろうか。篤信家で25歳のとき,諸国に1万3000体の仏像を安置したという話も伝えられる。源能有の娘との間に生まれた経基王は清和源氏の祖とされている。
(瀧浪貞子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報