貨物代表証券(読み)かもつだいひょうしょうけん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「貨物代表証券」の意味・わかりやすい解説

貨物代表証券
かもつだいひょうしょうけん

貨物運送において、運送中または保管中の貨物を代表し、その貨物に関する権利・義務関係を表章した有価証券総称。貨物代表証券には、陸上運送で用いられる貨物引換証海上運送で用いられる船荷(ふなに)証券(BL)、倉庫業者の発行する倉荷(くらに)証券がある。これらの証券は、証券上の権利の行使移転には証券の占有や移転を必要とするから、有価証券である。また運送人あるいは保管人に対する貨物引渡し請求権を化体しているから、債券証券であり、それを作成、交付されたときは、それと引換えでなければ貨物の引渡しを請求できない点で受戻(うけもどし)証券である。さらに、それによって貨物の売買や質入れなどの処分をすることができる点で、処分証券でもある。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android