倉庫証券(読み)そうこしょうけん

日本大百科全書(ニッポニカ)「倉庫証券」の解説

倉庫証券
そうこしょうけん

倉庫営業者が寄託物について発行する有価証券で、寄託物の返還請求権を章する。寄託中の物品を、倉庫証券によって譲渡・質入れすることができる点にその効用がある。日本の商法は、預り証券質入証券の2券を交付する複券主義(598条)と、これにかえて倉荷(くらに)証券だけを発行する単券主義(627条)とを併用している。しかし実際の取引ではもっぱら倉荷証券だけが利用されている。倉庫証券はこれら3証券の総称である。

 その法律的性質は、要式証券であり、記名式のときでも裏書により譲渡・質入れができ(法律上当然の指図証券)、証券と引き換えによってのみ寄託物の返還ができる(受戻証券)ほか、寄託物の処分はかならず証券をもって行い、証券の引渡しが寄託物の引渡しと同一の効果をもつ(引渡証券)。また、倉庫営業者と証券所持人との間では、寄託に関する事項は、証券の記載によって定まる(文言(もんごん)証券)などの効力が認められている。

[戸田修三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「倉庫証券」の解説

倉庫証券
そうこしょうけん
warehouse receipt

倉庫寄託関係において倉庫営業者が発行する有価証券で寄託物の返還請求権を表章するもの。倉庫営業者は,寄託者の請求により,寄託物の預証券および質入れ証券の2券を交付する (複券主義) か,この2券に代えて倉荷証券 1券のみを交付しなければならない (単券主義) 。これらの3券を倉庫証券と総称する。商法は複券主義を原則とするが,取り引きの実際では複券の利用に慣れず,銀行も質入れ証券に対し金融便を与えなかったために,日本では倉荷証券が利用されている。

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精選版 日本国語大辞典「倉庫証券」の解説

そうこ‐しょうけん サウコ‥【倉庫証券】

〘名〙 倉庫業者が寄託者から預かった寄託物を、一定の場所に一定期間保管し、その引受を約定して発行する有価証券。→倉荷証券(くらにしょうけん)。〔英和商業新辞彙(1904)〕

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世界大百科事典内の倉庫証券の言及

【倉荷証券】より

…倉庫業者に対する寄託物返還請求権を表章する有価証券を倉庫証券というが,倉荷証券はその一種である。倉庫証券は,その交付や裏書のみで寄託物の譲渡しや質入れができるため,寄託物を在庫のまま売買したり金融を受ける必要がある場合に利用される。…

【倉庫】より

…また,倉庫業者が他の流通業者や生産者の倉庫にある物品の保管を引き受ける場合もある(出保管(でほかん))。 第2の機能は倉庫証券(〈倉荷証券〉の項参照)の発行である。これは保管貨物の財産権を有価証券にしたもので,保管物品の売買を倉庫証券の売買で行うことができる。…

※「倉庫証券」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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