貫雲石(読み)かんうんせき(英語表記)Guan Yun-shi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「貫雲石」の意味・わかりやすい解説

貫雲石
かんうんせき
Guan Yun-shi

[生]至元23(1286)
[没]泰定1(1324)
中国,元の散曲の作家。ウイグル名門の出身で,本名は小雲石海涯。号,酸斎。勇猛で騎射に長じ,官は翰林侍読学士にいたり,のち江南に隠遁し,銭塘で薬を売っていたという。散曲の名手で,豪放さと清逸さとを兼ねた風格があった。詩集『貫酸斎詩集』 (2巻) ,徐再思 (号,甜斎) の作と合せた散曲集『酸甜楽府 (さんてんがふ) 』がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の貫雲石の言及

【中国文学】より

…散曲は宋の〈詩余〉に似た俗語の韻文で,歌曲の歌詞である。散曲だけの作家に張可久,貫雲石らがあり,貫雲石は西域人であった(雑劇)。
【明清時代(1368‐1911)】

[戯曲と小説との極盛]
 明・清500年あまりの間の文学において注目すべき現象は,庶民のための俗語文学の積極的な進出である。…

※「貫雲石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android