賃金支払い保護(読み)ちんぎんしはらいほご

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「賃金支払い保護」の意味・わかりやすい解説

賃金支払い保護
ちんぎんしはらいほご

労働基準法の支払いに関する保護規定。使用者は賃金通貨で直接,労働者にその全額を支払わなければならないとされている (24条1項) 。ただし労働協約別段の定めがある場合には,通貨以外のもので支払うことができ,さらに法令による場合または労使書面による協定がある場合には,賃金の一部を控除して支払うことができる。また賃金は,ボーナスなどを除いて毎月1回以上一定期日に支払わなければならず (24条2項) ,労働者が出産,疾病,災害その他命令で定める非常の場合にあてるために賃金を請求する場合には,支払期日前であっても,既往の労働に対する賃金を支払わなければならない (25条) 。そのほか「賃金の支払の確保等に関する法律」によって,企業倒産時における未払賃金立替払制度も設けられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android