賃金鉄則説(読み)ちんぎんてっそくせつ

百科事典マイペディアの解説

賃金鉄則説【ちんぎんてっそくせつ】

平均賃金は一国において慣習的に必要とされる生活必需品に局限されるのが鉄則であるという説。ラサールリカード賃金生存費説を基礎に主張した。彼はこれを資本主義社会労働者が自らの状態を改善しうるという幻想を打破するための武器として使った。しかし労働者の貧困を人口で説明して宿命化するマルサスの論に依拠するこの説は,賃金が一定以上に上昇しない理由を資本主義の機構に求めず,マルクスに批判された。

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世界大百科事典内の賃金鉄則説の言及

【賃金生存費説】より

…生存費説による自然価格を労働の市場価格が上まわれば,人口増加がうながされ,労働の供給が増加して労賃を引き下げる作用が生じ,その逆ならば逆になるという人口法則がその背後に想定されていた。このリカードの賃金学説をやや一面的に継承し,F.ラサールは,賃金は労働者と家族の生存最低費に帰着する〈鉄のような経済法則〉があると主張(賃金鉄則説)した。ドイツ社会主義労働党ゴータ綱領(1875)にもラサールの賃金鉄則がとり入れられ,マルクスの《ゴータ綱領批判》(1890‐91)での論争をうけている。…

※「賃金鉄則説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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