賴山陽書斎〈山紫水明処〉(読み)らいさんようしょさい〈さんしすいめいしょ〉

国指定史跡ガイド の解説

らいさんようしょさい〈さんしすいめいしょ〉【賴山陽書斎〈山紫水明処〉】


京都府京都市上京区東三本木通丸太町上ルにある書斎跡。京都市中心部の鴨川にかかる丸太町橋西詰め北に位置する。江戸後期の儒学者、賴山陽の旧宅水西荘(すいせいそう)の一部で、1922年(大正11)、保存状態のよい書斎(山紫水明処)が国の史跡に指定された。山紫水明処は水西荘の東南の鴨川に面した一画に営まれ、建造物は、葛屋葺(くずやぶ)き入り母屋造りで、内部は主室(4畳半)と次の間、板の間縁側などで構成される簡素な平屋だが、主室の天井は葭を並べた化粧屋根裏で、壁や建具の腰には竹網代を貼り、適度の換気と二重戸による防寒など随所趣向を凝らしている。東に向かって鴨川の清流比叡山、吉田山、聖護院(しょうごいん)の森、東山などの眺望が開け、「山紫水明」の名は漢詩のなかから取られ、山陽はこの書斎で晩年を迎えた。京阪電鉄鴨東線神宮丸太町駅から徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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