…したがって個性の表現は,西洋の斬新な様式の受容にほとんど置きかえられていたのであって,作家自身の自律的な個性の表現は,第2次大戦後の工芸家たちまで課題として残されたといえよう。 なお,大正期に大家として世評の高かった工芸家には,陶磁の板谷波山(いたやはざん)や鋳金の香取秀真(ほつま),漆工の赤塚自得(あかづかじとく)(1871‐1936)らがいた。
[民芸の発見]
帝展系の若い工芸家たちが,モダンな都会生活に適応しようとしたのとは反対に,同じころ,明治の工芸振興策が置きざりにしてきた民衆の日常雑器のなかにこそ美がある,と主張する民芸運動が興っている。…
※「赤塚自得」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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