最新 地学事典 「超苦鉄質岩帯」の解説
ちょうくてつしつがんたい
超苦鉄質岩帯
ultramafic belts
造山帯に伴われるかんらん岩や輝岩などの超苦鉄質岩が線状~帯状に連なって露出する地帯。個々の岩体の規模や形態はさまざまであるが,一般に分布の連続性はきわめて良く,しばしば造山帯の主要構造方向に1,000km以上追跡される。慣用的に,蛇紋岩帯ないし超塩基性岩帯と呼ばれることもある。一つの帯に分布する超苦鉄質岩は共通の岩石学的性質や起原をもち,造山帯の性質や周囲の地質体の違いによっていくつかのタイプが識別されている。一つはオフィオライト帯の超苦鉄質テクトナイト(R.G.Coleman, 1977)で,しばしばらん閃石片岩などの低温高圧タイプの変成岩を伴う。また,グラニュライトやミグマタイトを伴う造山帯には高温のかんらん岩貫入岩体(D.H.Green, 1964)が出現し,orogenic lherzoliteと呼ばれている。オーストラリア・カナダ・南アフリカなどの始生代楯状地グリーンストーン帯にも超苦鉄質岩帯が知られ,主にピクライト~かんらん岩質のコマチアイトからなる。南東アラスカやウラル山脈には,多数のキュームレイト質の累帯超苦鉄質複合岩体が分布する超苦鉄質岩帯が知られ,アラスカ型(T.N.Irvine, 1974)と呼ばれることもある。
執筆者:新井田 清信
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

