足利氏館(読み)あしかがしやかた

日本の城がわかる事典 「足利氏館」の解説

あしかがしやかた【足利氏館】

栃木県足利市の真言宗大日派の本山鑁阿(ばんな)寺にあった足利氏の城館。国指定史跡。日本城郭協会選定による「日本100名城」の一つ。室町時代、足利尊氏の本領地である同市にあった足利氏の居館がその起源清和源氏の源義家の曾孫の足利義兼(足利氏第2代)が鎌倉時代の初めに築いた。義兼は源頼朝のもとで鎌倉幕府の創設に尽くし、その子孫幕府要職に就き、鎌倉時代末期の当主の尊氏が鎌倉幕府を倒して、室町幕府を開いた。室町時代に入り、一族が京都や鎌倉に移って当主不在となった館は、鑁阿寺という寺院となった。ちなみに、この寺院は、義兼が1196年(建久7)に館内に建立した持仏堂を起源とし、第3代義氏が堂塔伽藍を建立して足利一門の氏寺としたものである。現在、足利氏館には当時の不整形の四角い土塁と水堀が残っており、その内部が鑁阿寺となっている。かつての足利氏の館は一辺が500m前後の四角形の広大な複郭の館であったと推定されている。この館の南方に、坂東の大学として、全国から多くの俊英を集めた足利学校がある。JR両毛線足利駅から徒歩約10分。または東武鉄道伊勢崎線足利市駅から徒歩約15分。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android