日本大百科全書(ニッポニカ) 「身体測定」の意味・わかりやすい解説
身体測定
しんたいそくてい
身体の大きさを客観的にとらえるために、各部分の長さ、幅、周囲のほか、重さなどを測定すること。形態計測、身体計測ともいい、得られた資料は個体の発育、発達が正常に行われているか、集団に異常がないかなどの健康管理に活用される。身体測定にあたっては、信頼性のある値や他と比較しうるデータを得ることがたいせつであるため、検者、場所、器具などによって測定方法や部位に差異のないことが前提となる。このため、国際体力テスト標準化委員会International Commitee of Standardization of Physical Fitness Testsなどで測定方法の検討が行われた。身体測定における測定項目は次のように分類される。
(1)長育 身体の長軸に沿った計測。身長、座高、上肢長、下肢長など。
(2)幅育 長軸と直角に交わる方向の計測。肩幅、胸厚、腰幅など。
(3)量育 量的計測。体重、皮下脂肪厚など。
(4)周育 周囲の計測。胸囲、腹囲、手頸(しゅけい)囲、上腕囲、大腿(だいたい)囲など。
これらの測定を正確に行うために、身体各部には目安となる測定点が設定されている。また、胸囲は、呼吸の仕方によって異なるため、安静呼吸中間位で測定することになっているし、上腕囲は、肘(ちゅう)関節の屈と伸に区別して測定される。
[小野三嗣]