車大工(読み)くるまだいく

精選版 日本国語大辞典 「車大工」の意味・読み・例文・類語

くるま‐だいく【車大工】

  1. 〘 名詞 〙 車をつくる大工。くるまつくり。
    1. [初出の実例]「中にこの車大工ぞ門やなぎ」(出典:俳諧・淡々句集(1746)春)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「車大工」の意味・わかりやすい解説

車大工
くるまだいく

車作り、車屋ともよばれ、荷車大八車(だいはちぐるま))、馬力(ばりき)、牛車(うしぐるま)などといわれる農業用や運送業用の車をつくる職人のこと。場合によっては水車をつくる大工をさすことがある。家(や)大工(住宅建築)、宮(みや)大工(社寺建築)、船(ふな)大工(船の建造)などと対応する呼称である。車大工は木工技術だけでなく、鍛冶(かじ)技術ももち、鞴(ふいご)などの野鍛冶(のかじ)用具も使い、11月8日には鞴祭りを行うのが特色。車体には堅木(かたぎ)(カシなど)を用いるので、ちょうな、鋸(のこぎり)、のみも家大工のものとは異なる。

[小川直之]


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世界大百科事典(旧版)内の車大工の言及

【牛車】より

… 牛車の車体・車輪ともに木製であり,京都江戸ともに牛車稼人の生活する土地の周辺で車作大工の手で作られている。裏店住いの車大工も知られており,徒弟修業によってその技術は身につけえたものと思われる。明治に入ると牛車と構造の同じ荷車は全国の過半の県で作られ,10年代には荷馬車は関東諸県を手始めに,全国に急激に増加していく。…

【大工】より

…現在は建築のための木工に従事する職人を大工と呼ぶが,そのほかに,荷車等をつくる車大工(くるまだいく),木造船をつくる船大工,家具をつくる家具大工なども存在した。建築に従事する大工を特に家大工(やだいく)と呼んだこともある。…

※「車大工」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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