辰岡万作(読み)たつおか まんさく

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「辰岡万作」の解説

辰岡万作 たつおか-まんさく

1742-1809 江戸時代中期-後期の歌舞伎作者。
寛保(かんぽう)2年生まれ。辰岡久菊(ひさぎく)の子。はじめ役者であったが,明和の中ごろ藤川山八(さんぱち)にまなび作者となる。初代並木五瓶(ごへい),初代近松徳三とともに京坂で活躍。代表作は徳三との合作傾城楊柳桜(けいせいやなぎざくら)」「艶競(はでくらべ)石川染」など。文化6年9月3日死去。68歳。初名は万太郎。俳名は紫楽,紫紅。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の辰岡万作の言及

【天満宮菜種御供】より

…外題脇に記す,菅原道真の〈八百七十五年忌〉に当たる1777年(安永6)4月,大坂小川吉太郎座(角の芝居)初演。並木五瓶,中邑阿契,辰岡万作ほかの作。配役は菅丞相・武部源蔵を初世尾上菊五郎,伯母覚寿・左大臣時平を初世嵐雛助,土師ノ兵衛・白太夫・法性坊・紀ノ長谷雄を初世三枡大五郎,宿禰太郎・舎人造酒王丸を小川吉太郎,松月尼・腰元十六夜・源蔵女房戸浪を初世沢村国太郎,斎世親王を沢村千鳥,判官代輝国を藤川柳蔵,蘭の中将・春藤玄蕃を三枡松五郎,三善清貫・白太夫伜荒藤太を2世三枡他人,左中弁希世を坂東岩五郎,白太夫娘小磯・紅梅姫を山科甚吉,宿禰女房小桜・長谷雄女房渚を初世三枡徳治郎,菅秀才を尾上丑之助など。…

【柳沢騒動物】より

…歌舞伎の作品はこれらを材料にして作られた。最初は1793年(寛政5)1月大坂中の芝居の辰岡万作・近松徳叟作の《けいせい楊柳桜(やなぎさくら)》で,柳沢騒動に淀屋辰五郎の話を配している。ついで1819年(文政2)5月江戸玉川座の4世鶴屋南北作《梅柳若葉加賀染(うめにやなぎわかばのかがぞめ)》。…

※「辰岡万作」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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