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デジタル大辞泉の解説

さ[五十音]

五十音図サ行の第1音。歯茎の無声摩擦子音[s]と母音[a]とからなる音節。[sa]
平仮名「さ」は「左」の草体から。片仮名「サ」は「散」の初3画。
[補説]「さ」は古く[tsa](あるいは[ʃa][tʃa])であったかともいわれる。室町時代末にはすでに[sa]であった。

さ[代]

[代]三人称の人代名詞。それ。そいつ。
「―が髪を取りてかなぐり落さむ」〈竹取
[補説]副詞「」、代名詞」と同源といわれる。

さ[感]

[感]
人を誘ったり、行動を促したりするときに発する語。さあ。「、やろう」「、どうしてくれる」
判断や決断に迷ったり、せっぱつまったりしたときに発する語。さて。「、どうしようか」「、これは困った」
相手の言葉をおさえて、こちらが話そうとするときの語。「『この間お願いした件ですが』『、そのことだが…』」

さ[終助・間助・格助]

[終助]種々の語に付く。
自分の判断や主張を確認しながら念を押す意を表す。「ぼくにだってできる
「お歴々にも負けることはおりない―」〈浄・鑓の権三
傍観的な、多少投げやりな調子で、あっさりと言い放す気持ちを表す。「好きなようにやればいいの」「そう心配することはない
疑問語とともに用いて、質問・反駁(はんばく)・難詰の意を表す。「行くって、どこへ行くの」「男のくせに何」「どうして黙っているの
(多く「とさ」「ってさ」の形で)他人の話を説明したり、紹介したりする気持ちを表す。「昔々、竹取の翁(おきな)という老人がいたと」「彼も行くんですって
[間助]文中の種々の語に付いて、口調を整えながら、相手の注意を引き留めようとする気持ちを表す。「でも、ぼくは、わかってるんだ」「それが、どうもおかしいんだ」
「何がなくとも―、お久しぶりといふ句が有がたうごぜえます」〈滑・浮世風呂・四〉
[格助]《方向の意を表す接尾語「さま」の音変化》名詞に付く。方向を表す。格助詞「へ」、または「に」に同じ。
「追分(おひわけ)の松屋―いかっしゃりました」〈洒・軽井茶話〉
[補説]は、近世初期、男性、ことに武士に多く用いられたが、後期には広く用いられるようになった。現在では男女ともに打ち解けた会話で多用する。なお、昭和30年代に鎌倉の腰越小学校で語尾の「ネ・サ・ヨ」を使わない運動が始まり、一時全国に広がった。は中世ごろから東国方言として知られていたが、現在でも東北地方などで用いられる。

さ[接頭]

[接頭]
名詞・動詞・形容詞に付いて、語調を整える。「霧」「迷う」「まねし」
名詞に付いて、時期的に早く若々しい、また、5月の、という意を表す。「早」などの漢字が当てられることがある。「乙女」「苗」「みだれ」

さ[接尾]

[接尾]
形容詞・形容動詞の語幹、一部の助動詞の語幹に準じるものに付いて名詞をつくり、…の状態であること、…の程度であること、…の性質であることの意を表す。「つら」「美し」「静か」「会いた

㋐移動に関する動詞の終止形に付いて、…する時、…する折、…する場合などの意を表す。「帰る
「白菅の真野の榛原行く―来―君こそ見らめ真野の榛原」〈・二八一〉
㋑方向を表す名詞に付いて、…の方という意を表す。
「縦(たた)―にもかにも横―も奴とそ我はありける主の殿戸に」〈・四一三二〉
㋒形容詞・形容動詞の語幹などに付いて、…なこと、…なことよという意を表す。
「ももしきの大宮人の罷(まか)り出て遊ぶ今夜(こよひ)の月のさやけ―」〈・一〇七六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

五十音図サ行第一段の仮名。歯茎摩擦音の無声子音と後舌の広母音とから成る音節。
平仮名「さ」は「左」の草体。片仮名「サ」は「散」の初三画。

( 代 )
三人称。その人。そいつ。もっぱら格助詞「が」を伴い、「さが」の形で用いられる。 「 -が髪をとりて、かなぐり落とさむ。-が尻をかき出でて、ここらの公人に見せて、恥を見せむ/竹取」

( 感 )
人を誘ったり、促したりするときに発する語。さあ。 「 -、行こう」
驚いたり、気付いたりしたときに発する語。さあ。 「 -かかつたは/狂言記・こんくゎい」
言葉につまったり、ためらったりするときに発する語。

( 終助 )
〔近世中期以降の語〕 文末の種々の語に付く。活用する語には言い切りの形に付くが、形容動詞にはその語幹に付く。
強意を表す。 「大人が勝つのはあたりまえ-」
軽く言いはなす。 「無理なことだし、まあいい-」 「どのみち同じこと-」
質問・反駁はんばくの気持ちを強める。疑問詞とともに用いられる。 「どこへ行けばいいの-」 「なに-、生意気言って」
他人の話を紹介するときに用いる。「とさ」「てさ」の形をとる。 「むかしむかし、大きな国があったと-」 「大勢で押しかけたんだって-」
( 間投助 )
文節末に付いて、口調を整える。相手の注意を引き止めようとする気持ちが込められる。 「だって-、お父さんがいいって言ったんだもの」 「お母さんが-、早くおいでって」
( 格助 )
〔中世後期以降の東国語。現在でも関東以東の各地で用いられる〕 格助詞「」に同じ。方向を示す。 「都みやこ-ノボル/ロドリゲス」

( 接尾 )
形容詞・形容動詞の語幹、一部助動詞の語幹に準ずるものに付いて名詞をつくる。
その表す性質・状態・心理そのもの、またその程度などを表す。 「深-」 「つら-」 「暖か-」 「会いた-見た-」
文末にあって、感動の意を表す。 「ももしきの大宮人の罷り出て遊ぶ今夜の月のさやけ-/万葉集 1076
動詞の終止形に付いて名詞をつくる。移動の行われるときの意を表す。…している折。…するとき。 「帰る-」 「行く-」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


五十音図第3行第1段の仮名。平仮名の「さ」は「左」の草体から、片仮名の「サ」は「散」の初めの3画からできたものである。万葉仮名では「左、佐、作、酢、沙、紗、散(以上音仮名)、狹(訓仮名)」などが清音に使われ、「社、射、謝、耶、奢、裝、奘(以上音仮名のみ)」などが濁音に使われた。ほかに草仮名としては「(佐)」「(散)」「(斜)」「(沙)」などがある。
 音韻的には/sa/(濁音/za/)で、上歯茎と舌との間で調音する無声摩擦音[s](有声破擦音[dz])を子音にもつ。古く中央語のサ行子音は破擦音の[ts]であったとも、また摩擦音の[]であったとも推定されているが、確定しがたい。[上野和昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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